新興国株 株式

2016年新興国株式市場の展望

新興国株

中国景気減速リスクは続く、インドは改革により緩やかな成長

  • 中国では、自動車販売台数が大幅減少から持ち直す動きがみられ、利下げにより融資規模も拡大しており、景況感は幾分か回復している。中国政府は、国営企業の再編や金融制度改革などにより過剰投資、地方債務などの構造的な問題に着手しているが、生産者物価指数(PPI)の下落によるデフレ圧力は免れられないであろう。一方で、今後も必要に応じてインフラ投資などの財政出動に踏み切る可能性を考慮すると来年は6%程度の成長は維持できると予想する。中国株式市場は、企業リストラや財政出動を背景に金融セクターや資源関連セクターは安定を幾分か取り戻すであろう。ただし、少なくとも来年前半は急落リスクへの警戒からボラティリティの高い展開が続き、市場が落ち着きを取り戻すのは来年後半となるであろう。
  • インドの経済成長は、準備銀の金融緩和政策、原油安の恩恵を受けて堅調に推移している。来年もこの成長トレンドは続き、新興国の経済成長を下支えするであろう。また、モディ政権は、都市開発や再生可能エネルギーの分野でも補助金や税制優遇策を打ち出しており、これらの政策や改革は、経済成長を後押しするであろう。但し、国内の不良債権額は過去10年で最大に達しており、経済成長の足枷となるであろう。一方で、輸出依存度が低い為、市場の最大のリスク要因である中国経済に対する依存度が小さいことから、SENSEXは来年も緩やかな上昇を続けると予想する。
  • ブラジルは、2016年8月にリオデジャネイロ五輪を控えているが、金利上昇に加えて、国営石油会社ペトロブラスの汚職問題に起因する投資計画の見直しや政情不安などにより来年も企業・消費マインドは改善される見込みは低い。また、財政収支が赤字転落したことやインフレの影響により景気刺激策や金融政策などは当面期待できない。今年悪天候で減少した同国の砂糖生産量が回復し、原油価格が回復しても、国内景気が好転し、国内企業の業績が拡大するまではまだ時間を要することから、同国株式市場が回復するのは2017年以降になると予想する。
  • ロシアでは、国内の個人消費が堅調であることや制裁により国内の食品や化学メーカーなどの内需関連企業の業績が好調であることにより、景気後退を下支えするであろう。しかし、来年も欧米諸国による制裁が解除されるまでは低迷している企業の設備投資の回復は見込めず、緩やかな経済成長となる見通しである。石油・ガス業界は、価格低迷による影響を増産により補てんしてきたが、現時点で生産コストを下回っている以上、来年後半以降に原油の需給緩和圧力の後退により価格が上昇に転じるまでは、業績の好転は期待できない見通しである。
  • メキシコでは、原油安により石油生産企業の業績が悪化する見通しであるが、輸出の約80%を占める米国への輸出の拡大や同国への投資拡大により、来年以降も自動車メーカーを中心に企業業績は拡大し、同国経済成長を牽引するであろう。

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2015年12月18日

2016年グローバル株式市場展望 2015年12月PDF

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