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グローバル株式・商品市場動向2016年4月

米国株

6月の利上げ観測がやや後退

  • 4月の米国株式市場では、原油安や世界経済の成長鈍化懸念の高まりにより、リスク資産が売られ、月初に米国株は下落しました。発表された米雇用統計やISM製造業景況指数が底堅く、第1四半期の企業業績への期待が高まったものの、米利上げ観測が強まるほどではありませんでした。更に、中国の3月の輸出増加率が9ヶ月振りにプラスに転じた為、中国経済が少し改善に向かっていると受け止められ、世界の株式市場は上昇する展開となりました。一連の企業決算を受けて市場が楽観的になっていたところ、原油相場が持ち直したことで、リスク嗜好の動きが強まりました。FRBが6月利上げの可能性を明確に示さなかったことを受けて安心感が広がり、ダウ平均は一時18,000ドルを越えました。日本株市場でも、中国景気や為替安定が期待され、日経平均株価は17,000を超えました。ところが、月末の日銀の追加緩和見送りによる失望感で日本株は売られ、月末には16,000近辺まで下落しました。第1四半期の米GDP速報値が弱い伸びを示したほか、新規失業保険申請件数が増え、6月の利上げを疑問視する声が強まっています。中国経済は多くの主要指標で改善が確認されていますが、全般的に景気回復ペースは低調であると考えられています。ユ-ロ圏景気は、緩やかな景気回復が続いていますが、EU残留に関する国民投票を前に英国景気の下振れリスク増大など新たな懸念材料が注目されます。4月の米国株式市場は上下を繰り返しましたが、月末には株価はほぼ月初の水準に戻りました。 
  • 欧州の景気懸念により欧州株が下がる中、ドル安による割安感もあり、金市場では逃避買いが優勢になり、金価格は1,300ドル近辺迄上昇しました。しかし、米雇用情勢が持続的に回復し、原油価格も上昇していることから、金融市場のリスク回避姿勢が弱まって金の売り圧力が強まる局面もありました。銀価格は18ドル近辺迄上昇しました。プラチナは生産国南アの通貨ランドが上昇し、生産者の供給意欲が後退するとの思惑で買われ、1,000ドルの大台を突破しました。パラジウムは米・中国自動車販売の増加が強気材料となり600ドルを越えました。世界経済の先行き不透明感により、工業用需要が伸び悩むとの見方もありますが、比較的堅調に推移しました。
  • 原油市場では、世界的な需給不均衡が是正されるのではないかとの期待感から買われ、WTI原油は45ドルを回復しました。米国内のガソリン需要の活発化や、海外で原油生産を抑制する兆候が見られ始めていることが支援材料となりました。原油相場の底入れ感も投資家心理の改善につながっています。過度な先行き警戒感が後退する中、リスク投資意欲が回復し、米国内のリグ稼動数や原油在庫の減少も買いの要因になりました。サウジアラビアの生産能力引き上げ観測やイランの生産・輸出増加見通しが弱気材料となり、高値修正の動きもありましたが、価格の下落幅は限定的でした。
  • シカゴ穀物では、当初コーンは、米農家の作付け意向面積が予想を大きく上回ったことで、安値を更新しました。しかし、ブラジルでは降雨不足による生産減少が予想されており、輸入関税を一時的に免除して米国からの買い付けに動いており、米国産の需給が引き締まるとの見方が広がると、買われる展開となりました。大豆は、豪雨によりアルゼンチンの生産が減少すると予想される上に、ブラジル通貨レアルが対ドルで上昇し、同国の輸出採算が悪化する一方、競合する米国産の輸出競争力が高まると見られ、ファンドの買いが進み、月を通して強く推移し、昨年7月以来、約9ヶ月振りに10ドルを越える展開となりました。

PDFレポート グローバル株式・商品市場の動向(2016年4月)PDF

2016年5月4日

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ


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