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グローバル株式・商品市場動向2016年5月

世界経済懸念が重し

  • 中国と英国で軟調な経済指標が発表され、5月の金融市場では世界経済に対する懸念が再燃しました。4月の米雇用統計では就業者数の伸びが鈍化し、米国株は下落しました。しかし、米国第1四半期の企業業績が予想ほどには悪化せず、投資家の楽観姿勢が強まりました。FRBによる緩和的な金融政策や原油価格の持ち直しを背景に、米株価は年明けの急落から回復し、過去最高値に近づきました。米ISM非製造業指数の改善や製造業受注の増加、更に貿易赤字の縮小などが好感されました。ところが、6月に利上げを行う公算が大きいことを示唆する4月のFOMC議事要旨が市場心理を圧迫し、米国株が売られる動きもありました。その後、米小売売上高や消費者景況感などの経済指標が良好であり、そして強い住宅販売件数や4月の新規失業保険申請件数の改善を受けて、米景気が第2四半期に再び勢いを取り戻していることが改めて意識されました。FRBのイエレン議長が「今後数ヶ月」で追加利上げが適切になるだろうと発言したことで、米経済が再び利上げ出来る程度に改善していると受け止められました。
  • 日本株式市場では、主要国首脳会議(サミット)で安倍首相が景気の現状に厳しい認識を示しましたが、今後の経済政策への期待感から日本株は買われ、月末には約1ヶ月振りに17,000円台を回復しました。中国経済は依然として減速基調で、ユ-ロ圏景気の回復ペースは緩慢なままとなっています。5月の米国株式市場は上下を繰り返しましたが、月末には株価はほぼ月初の水準に戻りました。
  • 先月からの流れで、月初には金価格は1,300ドル迄上昇しました。しかし、原油相場の上昇を受けてリスクオンの動きが強まったところに、対ユーロでドル高となり、金は割高感から売られました。利上げ観測を背景に金利を生まない金を手放す動きも広がり、金価格は下落しています。銀価格も金に追随した動きとなり、16ドルを割り込みました。プラチナはディ-ゼル車の多い欧州需要が堅調で買われる局面もありましたが、宝飾品向けの需要が減少するなどの見通しから軟調に推移し、1,000ドルを割り込みました。産業用需要の多いパラジウムも軟調でした。非鉄など他金属資源が値下がりしたことが弱気材料となり、更に中国のコモディティ-市場での投機規制の強化が警戒されていることも影響しました。
  • 原油市場では、需給が再均衡するとの観測から買われ、WTI原油は7ケ月半振りに一時50ドルの節目を突破しました。カナダの森林火災やナイジェリアでの内戦に伴う供給懸念を背景に続伸しました。EIA在庫統計での米原油生産、石油製品在庫の減少が支援材料となりました。IEAが今年上期の供給過剰見通しを縮小したことも影響しました。イランの生産・輸出増加見通しや最近の原油価格上昇を受けた利益確定売りにより、高値修正の動きもありましたが、価格下落幅は限定的でした。
  • シカゴ穀物市場では、コーンは当初、輸出成約高の減少やブラジル産地の気温低下予報により、売られる展開でした。しかし、大口成約や内外期末在庫の下方修正予想で買われ、4ドルを越え約10ヶ月振りの高値圏にあります。大豆は最大産地の米国でコ-ンから大豆への転作が進まず、同国産大豆の在庫が減少するとの見通しが強まりました。又、南米産地での天候不順による減産が予想されています。供給が伸びない一方、需要が増えるとの見方が強気材料視され、1年9ヶ月振りに高値を付けました。

PDFレポート グローバル株式・商品市場の動向(2016年5月)PDF

2016年6月4日

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ

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