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グローバル株式・商品市場動向2016年7月

米国株

英国の政局不安は後退

7月の米国株式市場では、6月の米ISM製造業景気指数が好調で、また雇用統計で新規就業者の伸びが市場予想を大幅に上回り、第1四半期に減速した米経済は勢いを取り戻したとの見方が広まりました。好調な米経済指標と米国企業決算を背景に米株価は上昇し、ダウ平均とS&P500は過去最高値を更新しました。一方、欧州では英国の政局不安が後退し、リスクオンの動きが強まりました。世界経済が停滞する中で米経済がどこまで底堅さを維持出来るかが懸念される中、FRBは金利据え置きを決定し、目先のリスクは後退したとの認識を示しながらも利上げを急ぐ姿勢を示しませんでした。ところが、米国では雇用や物価など最近の経済指標が堅調で、FRBが年内に利上げに動くとの見方が強まっています。日本では、最近の欧米株の上昇基調を受けて日本国内の投資家心理が改善し、リスク嗜好が強まりました。又、日銀の追加金融緩和への期待が改めて強まり、政府の経済対策が大型になるとの観測が相場を押し上げ、日経平均株価は16,000円半ば迄上昇しました。中国経済は引き続き減速基調であり、方向感のない展開になっています。ユ-ロ圏景気は緩やかな回復を続けていますが、下振れリスクは高く、今後の動向を注視する必要があります。 

世界経済の先行き不透明感を背景に、安全資産とされる金は買われました。そして、英国のEU離脱や、トルコ・欧州の政情不安による逃避買いで、金価格は1,400ドル近辺迄上昇しました。しかし、好調な米雇用統計を受け投資家のリスクオンの流れが強まり、下落する動きもありました。銀価格も金に追随した動きとなり、20ドルを突破しました。プラチナは最近の米株価の上昇で工業用需要が増加するとの思惑で買われ、1,100ドルを突破しました。パラジウムは、中国の自動車需要回復観測が強まり、昨年同国が導入した小型車減税の効果や環境規制の強化が自動車触媒需要の追い風となり、700ドルを突破しました。

原油市場では、OPECの産油量が記録的な規模に膨らんでおり、世界的な需給不均衡の解消には時間がかかるとの見方で原油は売られ、WTI原油先物は41ドル寸前迄下落しました。イランの原油輸出拡大見通し、米国内のリグ稼動数や原油在庫の増加、及び夏場のドライブシ-ズンにガソリン需要が伸び悩んでいることも弱気材料となりました。OPECによる来年の需要増加見通しを背景に買われる局面もありましたが、上昇幅は限定的でした。

シカゴ穀物では、米国でコーンの作付けが市場の予想以上に増加し、需給が緩むとの見方が広がりました。又、主産地の米中西部で生育に適した天気が続いたことで豊作観測が強まり、安値を更新しました。大豆は、米国の主産地での好天候による増産観測、土壌や水分も生育に適した状態であるとの思惑から売られる展開になり、10ドルを割り込みました。米国と並ぶ主産地のブラジルなどの南米産地では、収穫期を迎えて、天候不順による減産観測が強まり、買われる局面もありました。

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2016年8月4日

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