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グローバル株式・商品市場動向2016年10月

米好調もポンド急落で心理悪化

グローバル株式市場の動向

10月の米国株式市場では、ダウ平均は18,000ドル以上の高値圏で推移しました。9月の米小売高とPMIが堅調な内容であり、新規失業保険申請件数も低水準となり米経済の力強さが増しているとの見方が強まりました。一方、英国のEU離脱に伴う影響、英ポンドの急落や年内の米利上げをめぐる懸念の強まりで市場心理が悪化しました。又、中国の9月輸出入の大幅な落ち込みによる同国経済の先行き懸念が再燃し、米国株が売られる動きもありました。しかし、米国では雇用の伸びが依然底堅く、インフレ率も緩やかに上昇していることからFRBは12月に利上げすると予想されています。イエレン議長は講演で経済危機による損失の修復を図るには「高圧経済」政策が唯一の方策となり得るとの考えを示しました。また危機による長期的な打撃から回復するには緩和的な政策が必要な可能性があると述べました。日本株式市場では、105円台へ円安が進み、投資家心理が改善し、日経平均株価は半年振りの高値となる17,500円近く迄回復しました。中国経済は引き続き減速基調で構造調整が進む中、中国景気の先行きに注意が必要であります。ユ-ロ圏景気は、緩やかな回復が持続しており、回復ペ-スに若干の加速感がうかがわれますが、持続性は楽観視できない状況です。 

金市場の動向

米国の低金利や英国のEU離脱決定を背景に、当初安全資産の金は買われました。春節前の仕入れ時期を迎えた中国と、婚礼向けの装飾需要期を迎えたインドの実需買いが増加するとの見方が追い風になりました。しかし、対ユ-ロでのドル高進行に伴う割高感や米利上げに対する警戒感などを材料に売られ、金価格は1,250ドル近辺迄下落し、3ヶ月振りの安値をつけました。銀価格も金に追随した動きとなり、18ドル台を割り込みました。ドイツ銀行の経営不振が欧州経済全体に悪影響を及ぼし、ディ-ゼル車の排ガス触媒向けの需要が落ち込むとの思惑が広がり、プラチナ価格は下落しました。主生産地の南アフリカでの鉱山労働者の賃金交渉が一部妥結し、生産が順調に推移するとの観測もあり、1,000ドルを割り込み、約3ヶ月振りの安値をつけました。パラジウムは、堅調だった米の自動車販売が減速した為、需要減少懸念が広がり、600ドル近辺の安値水準で推移しています。

原油市場の動向

原油市場では、米原油在庫統計で原油の取り崩しが相次いで発表され、又、イランが減産実施に前向きな姿勢を示しているとの報道により、需給の引き締まり観測が強まり、WTI原油は50ドル台を回復し、約4ヶ月振りの高値を記録しました。EIA在庫統計でガソリンと留出油等の石油精製製品の在庫が減少したことも支援材料となりました。しかし、IEAが来年度後半まで石油の供給過剰状態が続くとの予想を発表し、主要産油国による協調減産の行方に不透明感が広がっていることと併せ、原油は売られる展開となり、WTI原油は45ドル近辺迄下落しました。

農産物市場の動向

シカゴ穀物では、コーンはこれから作付けが始まる南米産地で昨年より作付けが増加する見通しであり、引き続き供給過剰感が強くなっています。既に米国産は大豊作が確定しており、安値水準にあります。米農務省が発表した米国内の穀物在庫が市場の事前予想よりも少なく、相場が上昇する動きもありましたが、月を通して軟調な展開となりました。大豆は、米の記録的な豊作が予想され、今回の需給報告で単収が引き上げられました。大豆の世界在庫が増えるなど供給過剰感が強い状態が続いています。しかし、大豆油の相場上昇や最大の需要国である中国の買い付けが堅調に推移していることが強材料になり、投機筋が買い姿勢を強め、一時10ドルを越える局面もありました。

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2016年11月4日

PDFレポート グローバル株式・商品市場の動向(2016年10月)PDF

 

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