エネルギー コモディティ

2017年天然ガス市場の展望

ガス、LNG

過剰在庫解消も、パイプライン稼働に伴いシェール増産へ

天然ガス相場の見通しの前提となる市場の需給ファンダメンタルからみていきたい。米エネルギー省によると16年の米ガス年間平均生産量は前年比1.3bcf/日減少となり、05年以降初めて減少に転じる公算である。これは、価格低迷による採算悪化により、米シェールガス生産業者が供給量を抑制しており、またパイプラインの稼働が遅延していることが最大の要因といえよう。近年、多くの米シェール生産業者は原油価格に連動するNGLの販売によりガスの生産量を維持してきたが、原油価格の低迷にともないようやくガスの生産量の抑制に着手してきたことが確認できる。

ガス在庫量は

また米ガス在庫は、北米の冬季需要期がはじまる中、堅調な暖房需要をうけて12月15日時点で3,806bcfと昨年比-40bcf/日となり、過去5年レンジ内で推移している。これは、供給減少に加えて、米国からメキシコへのパイプライン輸出やLNGの輸出開始などによる需要拡大により16年を通して過剰在庫を解消してきた結果といえよう。

冬季需要

16/17年の冬季需要は、現時点では例年並みの気温推移が予想されているが、シェールの生産量が頭打ちになっており、過剰在庫も解消に向かっていることを考慮すると、センチメントによる買いを誘いやすい地合いとなっている。

パイプラインの稼働

17年の供給については、カナダからの輸入が減少することが見込まれている他、従来の供給増加の牽引役であるMARCELLUS、 UTICAなどの北東部のガス田の供給拡大には、パイプラインインフラの制約が課題となるため、供給拡大が見込めるのは、17年半ば以降となるであろう。北東部のTCO LEACH XPRESSやNORTHERN ACCESSなど北東部のパイプラインが17年後半に稼働が予定されていることから当社は、17年7月以降2bcf/日程度の供給増加を予想する。

メキシコは重要顧客

一方で17年の需要は、石炭から天然ガスへの発電用燃料転換を含めた発電需要は鈍化する見通しであるため、当社は、7-9月までは需要は前年比で減少すると予想する。一方で、17年10-12月には、米産業用需要の増加、メキシコへのパイプライン輸出需要の増加、LNG輸出需要の増加により5bcf/日の増加を予想する。

天然ガス相場の見通し

総じて、天然ガス価格の見通しについては、1-3月は、気温の推移に連動した動きとなるが、センチメントの改善によりサポートされやすい展開となり、その後は、北東部のパイプライン稼働にともなうシェール生産者による増産により上値が重い展開となると予想する。

天然ガス市場見通し17年3月 – 最新見通し

天然ガス価格見通し – 2017年見通し

林田貴士(はやしだたかし)

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2016年12月21日

2017年天然ガス市場の展望PDF


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