コモディティ 非鉄金属

2017年アルミ市場の展望

精錬大手の供給削減も過剰在庫は解消されず

アルミのLMEスポット価格は年初から約18%上昇し、1700ドルを上回る水準で取引されている。これは、欧米製錬大手が供給削減に着手し始めていることに加えて、中国のインフラ投資による需要が堅調であることがその背景にある。

過剰供給能力に過剰在庫

米国では、センチュリーアルミナム社、アルコア社が精錬所を停止するなど精錬能力の削減を始めている。一方で、中国は、過剰生産能力を解消する為、M&Aをすすめる対策を講じているが、当面は、国内の過剰在庫の解消のために、輸出を拡大させている。アルミ製品の輸出は、16年5月に輸出税が撤廃されて以降、拡大を続けており、グローバル市場の過剰在庫の解消が遅れている大きな一因となっている。

また、上海取引所の受渡し在庫不足の影響から同取引所の先物価格が年初から30%以上上昇していることを背景に製錬所が再び稼働していることなど、石炭やスチール業界とくらべ供給能力の削減は相対的に最も遅れているといえよう。

17年秋には共産党大会

需要については、中国の都市化にともない、高速鉄道や空港などのインフラ投資に加え、コスト優位性から電線市場における銅の代替需要としての恩恵をうけている。17年秋の共産党大会を控えていることを勘案すると、中国は景気を下支えするための公共インフラ投資を優先することが予想される。

当社は、17年の中国のアルミ需要は前年比で4%増加すると予想し、世界全体では前年比4%の増加と予想する。生産量は、精錬大手の供給削減にもかかわらず、中東やインドの製錬能力拡大や中国の製錬所の再稼働により前年比4%の増加となり、引き続き、供給過剰状態の解消はすすまない見通しである。

総じて

価格は、中国のインフラ投資などを背景に銅価格につられて底堅い展開となるが、過剰供給能力や過剰在庫への懸念から上値が重い展開を予想する。

林田貴士(はやしだたかし)

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2016年12月21日

2017年アルミ市場の展望PDF


スポンサーリンク

本サイトに掲載のすべての情報はあくまでも情報提供を目的としており、取引や投資に関する判断は利用者ご自身の判断でなさるようお願いいたします。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社及び本情報提供者は一切の責任を負いませんので予めご了承ください。