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2017年日本株式市場の展望

国内株

円安一服も、中長期マネーの本格的な流入へ

日銀が2%の物価上昇率の実現に向けてマイナス金利政策を含む今の大規模な金融緩和策を維持することを決めたことや景気判断が1年7ヵ月ぶりに上方修正したことを受けて、日経平均株価は12月に入り、19000円を突破し、年初来最高値を更新し続けている。

企業業績は、中国を中心としたアジア向け輸出の回復やコモディティ価格の持ち直しにより、今後も緩やかな上昇が見込まれる。設備投資も持ち直していることや、また企業統治改革を背景に収益力の向上や資本効率の改善も業績の下支え要因となろう。また、労働力不足を背景に賃金は上昇し、個人消費は緩やかに拡大を続けるであろう。

トランポノミクスの影響

トランプ次期米大統領は、今後10年間で4兆ドル規模の減税と1兆ドル規模のインフラ投資と規制緩和をかかげており、米景気が底上げされるとの見方が広がった。また、議会選挙で共和党が上院と下院の過半以上の議席を維持したことも期待を後押しした。これを機に、マーケットはリスクオンに転じて、海外投資家は、日本株も買い越してきている。当社は、海外年金勢など中長期の資金が入り始めているとみている。

今後もこの米国発のリスクオンと好調な企業業績による日本株買いはしばらく続くとみられる。ただし、新興国経済の減速リスクや円安一巡による輸出への影響は懸念材料となるであろう。

トランポノミクスの保護主義的な通商政策は、長期的には円安をけん制する動きを含む可能性がある。また、保護主義が伝搬することで米国のグローバル企業のコスト負担が増大し企業業績を圧迫する可能性があろう。

米FRBの利上げ

17年を通して数回実施が想定されている米FRBによる利上げは、米国株の短期的な売り材料となる傾向がある為、国内株価もボラタイルな値動きが想定される。また、利上げサイクルと金利上昇ペースの加速は、新興国からの資金流出を招く可能性があり、新興国経済への影響、そして国内企業の輸出への影響も懸念される。

欧州は「選挙の年」

欧州は、3月にオランダで総選挙、4月・5月にはフランスで大統領選挙、6月には同国総選挙、8~10月にはドイツの総選挙が予定されており、EU離脱派が優勢となれば、リスク回避目的の逃避資金の流入により一時的な円高、株安も想定される。

総じて

日経平均株価は、16年12月に入り、予想PERベースで16倍に達していることから、バリュエーション面ではアベノミクス相場の上限に近づいているとの見方もあり、短期的には上値が重い展開が予想されるが、当社は、リスクオンに転じた海外投資家勢は、日本株を今後も買い支えると予想する。また、企業統治改革、社会保障改革や雇用改革に取り組む姿勢が海外投資家に評価されれば、中長期の資金がさらに流入し、長期上昇トレンドに入る可能性もあろう。

日本株価見通し

林田貴士(はやしだたかし)

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2016年12月21日

2017年日本株式市場の展望 2016年12月PDF


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