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2017年米国株式市場の展望

米国株

トランプ+GS政権の「100日計画」の恩恵

米大統領選挙前は「トランプ・ショック」を懸念する見方が優勢であったが、選挙後はトランプ氏の政策へと焦点が移り、リスクオン姿勢が鮮明となり「トランプ・ラリー」が始まった。

トランプ次期米大統領は、今後10年間で4兆ドル規模の減税と1兆ドル規模のインフラ投資と規制緩和をかかげており、「最強の経済をつくる」と宣言している。ゴールドマン・サックスの社長兼最高執行責任者(COO)のゲーリー・コーン氏、元同社出身のスティーブン・ムニューチン氏が要職に就くことが内定し、この巨額な減税と経済再生策を就任100日以内の法制化を目指すとしている。議会選挙では共和党が上院と下院の過半以上の議席を維持する結果となったが、下院議長をつとめるポールライアン氏は財政規律の重視を訴えてきただけに、対立の芽は決して少なくはない。

トランプ政策の影響

トランプ氏の政策のうち減税については、概ね議会でコンセンサスがとれる見通しである為、18年1月に実施される可能性が高く、18年のGDP成長率を押し上げるであろう。

一方で、中国製品やメキシコ製品へ高い輸入関税を導入すれば、急激なインフレを招く恐れがあるが、この点はライアン下院議長が過去に強く対立していたことを考慮すると、宣言通り実行することは困難とみている。ただ、どのような形であれ保護主義的な政策をとることにより、保護主義が伝搬し、米国のグローバル企業のコスト負担が増大し、企業業績を圧迫する可能性は否めない。

17年の米国経済は、引き続き、堅調な個人消費により牽引され、緩やかな成長率を維持すると予想する。また、原油価格の回復に伴い、17年後半からはエネルギー企業は投資を緩やかに再開し、利益率は回復に向かうであろう。

17年の利上げ

米FOMC参加者は、17年を通して利上げを3回実施することを中心シナリオとしているが、利上げサイクルと金利上昇ペースの加速は、新興国からの資金流出を招く可能性があり、新興国経済への影響、そして米企業業績への影響も懸念される。輸出企業や製造業の業績が下振れする懸念も払しょくできないことを考慮すると、当社は、17年の米FRBの利上げは2回(各0.25%、合計0.50%)にとどまると予想する。

総じて

株価は、1月の大統領就任から100日間は、個人消費が緩やかな伸びとなるが、設備投資が持ち直し、経済成長の加速への期待から、堅調な展開となると予想する。その後は、ドル高や通商政策の負の側面が意識され、上値は重くなり横ばいに推移すると予想する。ただし、17年末から18年にかけて税制改革の効果が再び景気を押し上げると予想する。

米国株価見通し

林田貴士(はやしだたかし)

アースエレメンツ・アドバイザーズ/リサーチ 2016年12月21日

2017年米国株式市場の展望 2016年12月PDF


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