マーケット

グローバル株式・商品市場動向2017年8月

トランプ政権の先行き不透明感、北朝鮮情勢緊迫化が重荷

グローバル株式市場の動向

8月の米国株式市場では、米株価は月を通して高値水準で推移しました。ダウ平均株価は初めて節目の22,000ドルを突破し、過去最高値を更新しました。7月の米雇用統計は市場予想を上回る伸びとなりました。賃金も5ヵ月振りの大幅増となり、労働市場の引き締まりを示唆しました。第2四半期の米GDP改訂値は速報値から上方修正され、個人消費と設備投資の堅調さが確認されました。また、強い米小売売上高や米株高を受け、投資家のリスクオンの動きが強まりました。しかし、7月の米消費者物価指数や卸売物価指数が予想を下回り、物価圧力が弱い事が示された上に、ISM米製造業景況指数が低調だったことから、投資家の懸念が強まり、FRBによる年内の追加利上げに懐疑的な見方が広がっています。更に、トランプ政権の政策運営に対する不透明感が強まっていることなどで、米株が売られる動きもありました。FRBのイエレン議長は講演で金融の安定性に焦点を当て、2007-09年の危機以来に導入された改革により、経済成長を阻害することなく金融システムが強化されたとの認識を示しました。日本株式市場では、円高と北朝鮮リスクが意識され、日経平均株価が2万円台を割り込みました。中国経済は景気に一部持ち直しの動きもありますが、緩やかに減速していると見られています。ユ-ロ圏景気は、政治リスクが懸念されますが、堅調な景気回復が続くとの楽観的な見方が優勢となっています。

コモディティ市場の動向

金市場の動向

金市場では、当初、堅調な米経済指標の発表や米株高及びインドの実需買いが低迷していることなどで、金は売られました。しかし、北朝鮮問題などによる地政学的リスクの高まりなどで、金市場への投資資金が集まりました。対ユーロでのドル安により、割安感などから買われる動きもありました。更にトランプ政権が掲げる経済政策の実現性に懐疑的な見方が広まると逃避買いが優勢になり、約9ヵ月ぶりに1.300ドル台に乗せました。銀価格も金に追随した動きとなり、17ドル台を回復しました。プラチナは、主産地南アフリカで政権運営が揺らいでおり、将来的な供給不安観測により買われ、一時1,000ドルを突破しました。産業用用途が多いパラジウムは、ドル安や米株高を背景に投機筋の資金が流れ込み、900ドルを越え約16年ぶりの高値圏で推移しています。

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原油市場の動向

原油市場では、7月のOPECの産油量は今年最高の日量3,300万バレルとなり、産油国間の協調減産の効果に懐疑的な見方が広まりました。加えて、中国の製油所原油処理量が10ヵ月ぶりの低水準となり、エネルギ-消費大国の需要鈍化への不安が台頭し、原油は売られ、WTI原油先物は節目となる50ドルを割り込みました。減産を免除されているリビアやナイジェリアでの生産拡大なども弱気材料になりました。しかし、その後米国の原油在庫が8週連続で減少し、投機筋が強気に転じる局面もありました。月末には米南部テキサス州に上陸したハリケ-ン「ハービー」による洪水被害が拡大し、製油所閉鎖による原油在庫の増加懸念を背景に原油価格は下落する一方、米ガソリン価格は一時2年ぶりの高値を付けました。

農産物市場の動向

シカゴ穀物のコーンでは、主産地の米国中西部で降雨と気温低下の予報で作柄が改善するとの見方で軟調に推移しました。過去4年間続いた豊作で在庫水準は高く、供給過剰感から売られる展開となっています。南米の生産増も弱気材料視されました。大豆は、9日に発表された米農務省の需給報告で、収穫量見通しが市場予想を上回りました。主産地の米中西部や南米産地での生産も増え、世界的な供給過剰感が強くなり、安値圏で推移しています。米国では輸入バイオディ-ゼルに補助金相殺関税を導入することが仮決定され、原材料の大豆の需要拡大を見込んで買われる動きもありましたが、価格に与える影響は限定的でした。

マーケット動向


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