原油先物は下落、OPEC加盟国の9月原油生産量増加観測で リビアのフォースマジュールが支え
[10/2 ニューヨーク終値]
WTI11月限 50.58ドル/バレル 前日比 -1.09(-2.11%)H 51.71 L 50.07
原油先物相場は、OPEC加盟国による9月の原油生産量が増加したとの見方が広がったことに加え、トルコとイラクを結ぶ石油パイプラインが通常通り稼働していることが確認されたことで、クルド人自治区の原油輸出停止に対する警戒がやや和らいだことにより、売りが優勢となった。
イラク北部キルクークとトルコのシーハン(ジェイハン)を結ぶ石油パイプラインは、現時点では、通常通り稼働していることが伝えられた。クルディスタン地域政府(KRG)が独立の住民投票を実施したことを巡り、トルコのエルドアン大統領が同パイプラインを妨害する用意があると警告していた。イラク中央政府は、前週末にトルコやイランと軍事演習をおこない、クルド人自治区への国際航空便の乗り入れを全面的に禁止した。石油パイプラインが現時点で稼働していることが確認されたことで、市場の警戒感は和らいだ。
ロイターが行った調査によると、OPEC加盟国の9月の原油生産量は、前月比12万バレル増の3283万バレル/日となったと伝えられた。リビアが前月比3万バレル、ナイジェリアが前月比2万バレル、サウジが前月比6万バレル、クウェートが前月比5万バレルそれぞれ増加したことが影響した。OPEC加盟国の原油生産量が再び増加に転じたとの見方が広がり、原油相場の重荷となった。
リビア国営石油会社は、本日シャララ油田の出荷についてフォースマジュールを宣言した。シャララ油田は、前週、生産量が23万バレル/日まで回復したと伝えられていた中、本日再び停止した。リビアの原油生産量は前週末時点95万バレル/日から75万バレル/日まで減少した。リビアの原油生産が再び不安定化していることは、原油相場の支えとなった。
サウジアラビアのファリハ・エネルギー相とロシアのノヴァック・エネルギー相は、今週、モスクワで会談し、原油の減産合意延長の是非について意見交換を行うと伝えられた。ノヴァック氏は、本日、原油価格について「50ドル-60ドルは適切な価格」と話した。また、ノヴァック氏は、前月、「延長は、1月までは検討しない」と公言している。一方で、サウジのファリハ氏は11月も含めて延長を協議することについて支持をしていると伝えられており、両国が一致点を見いだせるか注目されている。
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